朱雀錦
(10)寿司材「水」
 
                                  水・海

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地球の総面積;5994万km2100%)

地球の全水量;138598万km2100%)

海の総面積 ;36106万km270.8%)

海水の全水量;133800万km296.54%)

陸の総面積 ;1億4889万km229.2%)

淡水の全水量;   3502万km22.53%)

1・21世紀は「水」の世紀
 20世紀は石油の世紀であった。大国はこぞって石油の利権をめぐって争った。しかし、21世紀は「水の世紀」になるであろうと予想されている。 
 地球は「水の惑星」と言われ、宇宙から地球を眺めると、地球表面の約70%が海で青々としているとのことである。体積に至っては、約11.6倍ある。海の平均水深は3700mあるが、陸を埋めて平均にすると、地球全面が平均水深約2600mの海に覆われる。 
 これだけ水の豊富な地球で、なぜ水不足が発生するのは、それは、96.5%の水が海にあるからです。
 地球上における水を大きく分類すると、海洋を構成する海水、鹹湖かんこなどを構成する鹹水かんすい(塩分濃度1.652.0%以上の塩辛い水)、そして河川などを構成する淡水の三つの形態になる。 これら全ての形態を集めた地球上の全水量は約138598万km3である。このうち96.5%に相当する133800万km3は海水、0.94%の129万km3は鹹水、残りの2.53%に相当する3502万km3が淡水である。しかし、この淡水中には、南極大陸、グリーンランドや北極の島々の氷河及び永久積雪の水2406万km3、土壌水1065万km3、永久凍土層の間隙水30万km3、その他生物の水分や大気中の水分等を合わせた1.52万km3などが含まれている。 従って私達が日々生活を営む上で容易に入手できる水は河川水の0.21万km3しかありません。 これは全淡水のわずか0.006%です。
 地球上の生き物にとってなくてはならない水が、今さまざまな危機に面している。 その第一の原因は、急激な人口増加である。1804年の世界人口は約10億人、1927年20億人、1960年30億人、1974年40億人、1987年50億人、1999年60億人と増加の速度が速くなっていること。
 表1-2025年時点で予想される世界の利用可能量    単位:m3/人

 水不足状態 利用可能水量   国
 深刻な水不足  490未満  アルジェリア、チュニジア、リビア、ヨルダン、 サウジアラビア、イエーメン、
オーマン、アラブ首長国連邦
 慢性的な水不足  490~980  モロッコ、エジプト、ブルキナ・ファソ、エチオピア、 ソマリア、ケニア
 部分的な水不足  980~1700  ニジェール、ナイジェリア、ガーナ、エリトリア、ウガンダ、 タンザニア、
ジンバブウェ、南アフリカ連邦、ポーランド、
ペルー、インド、イラン、
ウズベキスタン、アフガニスタン、
パキスタン、バングラディシュ、韓国
 特定地域が深刻
な水不足に直面
  ナミビア、スペイン、ポルトガル、中国北東部、シリア、 イラク、
オーストラリア、アメリカ西部、メキシコ北部
水不足の恐れ無し   1700以上 日本を含む上記以外 
*世界の約60%(17003/人以上)の人口は、2025年時点で水の供給に余り不安を感じないが、40%(17003/人未満)の
 人々は深刻な水不足に悩まされる心配がある。
  

 世界の総人口は、1999年に60億人に達した。そのうち70%は発展途上国に属し、更に人口増加の94%が発展途上国に集中している。 地域的には、世界の陸地面積の三分の一を占める乾燥、半乾燥地帯がほぼ水貧地域に一致している。乾燥地帯の経済的なダム適地のほとんどは既に開発尽くされ、河川の流量は減少すると共に水質が悪化する傾向にある。地下水は、過剰揚水が長期間に及び水位が低下し取水規制を含む対策が必要になっている。
 世界保健機構とユニセフの2000年版によれば、発展途上国人口の半分に相当する24億人は下水道などの衛生的システムの恩恵を受けられず、そのうちの11億人は家庭で上水道の供給設備が施されていない。このような状況下で下痢に苦しむ病例が世界全体で年間40億例もあり、5歳以下の乳幼児を中心に220万人が死んでいる。
 いま世界では、全ての人々が平等に清潔な水を十分にどころか、人間として生きるために必要な最低限の水さえ自由に手にすることが出来ないのが現実なのである。

2.日本の水道
 日本の年間平均降水量は1,718mm/年(昭和46年~平成12年)は、インドネシア、フィリピン、ニュージランドに続く世界で最も雨の多い国の一つである。日本の総面積は3,775haであるから、年間総降雨量は(降雨量mm×面積)で計算すると約6,500億トンになる。この6,500億トンを日本の人口1億2,693人で割った人口一人当たり年間降水総量は5,1143/年・人となる。日本は、国土面積の割りに人口が多く、人口密度が高く1人当りの降水総量は世界の人口一人当たり年間降水総量21,7963/年・人よりはるかに低く、水貧帯地域のサウジアラビア(9,9493/年・人)やイラン(6,0313/年・人)より低くなり決して水が豊富な国とは言えない。その上、日本は東西方向と南北方向にくの字に曲がった細長い国である。そのため日本の川は、水源から河口までの距離が短いのに加えて、世界的に見ても標高差が大きく一気に流れてしまう形になっている。そのため河川水の滞留時間が短く利用率(回転率)は低下する。

             表2-1世界各国の降水量等

国 名

  降水量

(mm/年)

   降水量

(km3/年)

1人当り降水量

(m3/年・人)

 人

(人)

世 界

973

131,979

21,796

605,505

日 本

1,718(4位)

649(9位)

5,114(16)

12,693

インドネシア

2,620(1位)

4,990(4位)

23,526(6位)

21,211

フィリピン

2,360(2位)

708(8位)

9,320(9位)

7,597

ニュージランド

2,010(3位)

544(10)

140,801(3位)

386

スイス

1,470(5位)

61(20)

8,217(10)

739

タイ

1,420(6位)

729(7位)

11,867(8位)

6,140

オーストリア

1,190(7位)

100(19)

12,164(7位)

821

インド

1,170(8位)

3,846(5位)

3,795(19)

101,366

イギリス

1,064(9位)

260(16)

4,415(18)

5,883

イタリア

1,000(10)

301(15)

5,258(15)

5,730

アメリカ

760(11)

7,116(1位)

25,565(5位)

27,836

フランス

750(12)

414(11)

7,001(13)

5,908

ルーマニア

700(13)

167(18)

7,474(12)

2,233

スウェーデン

700(14)

315(13)

35,351(4位)

891

中 国

660(15)

6,334(2位)

4,958(17)

127,756

スペイン

600(16)

304(14)

7,661(11)

3,963

カナダ

522(17)

5,205(3位)

167,100(2位)

3,115

オーストラリア

460(18)

3,561(6位)

188,550(1位)

1,889

イラン

250(19)

408(12)

6,031(14)

6,770

サウジアラビア

100(20)

215(17)

9,949(8位)

2,161

(1)水の利用状況
   平成162004)年における我が国の水使用実績(取水量ベース)は835億m3/年で、その
 内訳は生活用水約
1623/年、工業用水約1213/年、農業用水約5523/年である。
              表2-2全国の水使用量の推移

 

1975

1980

1985

1990

1995

2000

2004

生活用水

114億m3/年

128

143

158

163

164

162

工業用水

166

152

144

145

140

134

121

農業用水

(〃比率)

570

(67.0)

580

(67.4)

585

(67.0

586

(65.9)

585

(65.8)

572

(65.7

552

(66.1)

合 計

850

860

872

889

889

870

835

1)   生活用水
家庭で使用される水を家庭用水、オフィス、ホテル、飲食店等で使用される水
を都市活動用水といい、これらを合わせて生活用水と呼んでいます。生活用水の1人一日当り使用量は水洗便所の普及などの生活様式の変化に伴い1965年から2000年までの間に約2倍に増加し、この間の人口の増加や経済活動の拡大とあいまって、生活用水の使用量は約3倍に増加しましたが、近年の使用量は横這いもしくは漸減傾向になっている。家庭用水の使い方は、トイレ(約28%)、風呂(約24%)、炊事(約23%)、洗濯(約17%)といった洗浄を目的とするものが大部分を占めている。
       表2-3生活用水使用量の推移             単位:億m3/年

1965

1970

1975

1980

1985

1990

1995

2000

2004

総使用量

42

69

88

102

118

135

141

144

142

11

169

224

247

261

287

318

322

322

314

2)工業用水
     工業用水は製造業などの産業活動に供給される水で、原料用、製品処理・洗浄用、
  イラー用、冷却用などに使用されています。
   使用量には、一度使用した再生が含まれています。
工場用水の使用量は1965年から
    2000
年までの間に約3倍に増加したが、回収利用が進んだため、新に補給する水量
  (補給水)は
1973年をピークに漸減しています。
             表2-4工業用水使用量等の推移        単位;億m3/年、%

 

1965

1970

1975

1980

1985

1990

1995

2000

2004

補給水

114

150

147

134

501

129

124

119

111

再生水

65

161

297

373

127

407

417

436

423

総使用量

179

310

440

507

374

536

541

555

534

回収率

36.3

51.7

67.0

73.6

74.6

75.9

77.2

78.6

79.2

3)農業用水

   2004年の農業用水年間使用量5523は全用水835366.1%即ち、3分の2に相当する
  。その農業用水の
95%前後が水田の灌漑(田に水を潤すこと)用水として使用されて
  いる。水田面積が最も大きかった
1960年代は約330haであったが、現在は約260haあり
  そのうち実際に水稲が栽培されている水田は約
180haである。代掻しろかき(水田に水を
  引き入れ、土を砕き、ならして田植えの準備をすること)
をして水田を準備し、水を張って
   田植えをした後では蒸発、蒸散(植物体内の水分が体外に出ること)と浸透で灌水(水を注ぐこと叉
   はその水)は一日2センチ程度減少する。 これを「減水深」と言い、灌水を維持するのには1日
   20mmの水を補給する必要がある。 従って、水稲栽培には、灌漑期間約120日に2400mmと代掻
   きの100~200mmの合わせて2500~2600mmの水が必要となる。
                   表2-5農業用水

 

1975

1980

1985

1990

1995

2000

2004

農業用水使用量

570億m3/年

580

585

586

585

572

552

水田灌漑用水

(同比率)

560

(98.2%)

565

(95.4)

562

(96.0)

559

(95.3)

555

(94.8

539

(94.2)

520

(94.2)

3.自給率と水の輸入
 日本の水資源使用量は、生活用水に国民1人当り年間約1303、工業用水の淡水補給量が1人当りに換算して年間1103、農業用水が4603で、合計7003になる。
  一般に先進国では、1人当り年間10003程度必要とされているのに対し、日本は7003と低い、その主原因は、食料自給率の低さ即ち大量の食料を輸入していることと考えられる。日本は世界最大の農産物輸入国である。平成16年度の主要国の食料自給率は表3-1の通り
           表3
-1主要国の食料自給率

国 名

フランス

アメリカ

ドイツ

イギリス

日 本

自給率

130

119

91

74

40

 即ち、農産物を輸入することは、あたかも水を輸入していることと同じである。と言う意味でそうした農産物のことを水資源の観点からVirtual Waterと呼び、日本では「間接水」と訳されている。
精製後の重量で米の場合は3600倍、小麦は2000倍、大豆で2500倍、とうもろこし1900倍の水が必要であると算定されている。 即ち1kgの白米を得るため3.63の水が必要である。
家畜の飼育に投入される飼料の内訳、飼育期間そして屠殺後精肉の歳の歩留率を配慮し、資料中の穀物等の水消費原単位を利用すると重量比で鶏肉では約4500倍、豚肉では約6000倍、そして牛肉では約2万倍以上の水が必要である。
平成122000)年の農畜産物輸入量並びに工業製品輸出入量の統計に対して水資源消費単位を適用すると。工業製品に関しては、総輸出量が14億m3に対し総輸入量は13億m3と輸出量は上回っているが、農畜産物を加えた総合では、日本の間接水の輸入量は全体で年間640億m3にのぼり、国民1人当りにすると年間約500に相当する。国内で利用している水資源量7003と合わせると12003であり先進国として水資源利用はやや多くなる。
      表3-2主要な農畜産物の輸入量    ポケット食品統計及び畜産統計より

品目名

H15

H16

H17

品目名

H15

H16

H17

706千㌧

662

787

牛肉

577,104

433,033

461,151

小麦

5,246

5,490

5,472

同上臓器

95,747

25,362

27,009

大麦

1,442

1,439

1,430

豚肉

752,545

863,656

873,100

麦芽

547

549

514

〃 臓器

4,699

9,060

11,609

ライ麦

406

288

282

羊肉

22,250

28,380

32,007

オート麦

75

70

64

家禽肉

479,180

359,428

428,250

トウモロコシ

17,061

16,479

16,656

馬肉

7,000

8,835

8,817

グレインソルガム

1,490

1,411

1,403

肉調製品

370,123

396,098

535,618

間接水の計算例(表3-2のH17年度輸入量より)
    米 787千㌧×36002,833,000千㌧
② 麦類(小麦、大麦、麦芽、ライ麦、オート麦)
 5,472+1,430+514+282+64)千㌧×2000=15,524,000千㌧
③ トウモロコシ類(トウモロコシ、)
 16,656+1,403)千㌧×190034,312,100千㌧
    牛肉(牛肉、馬肉)
 (27,009+8,817)㌧×20,000716,520,000㌧=716,520千㌧
⑤ 豚肉(豚肉、羊肉)
 873,100+32,007)㌧×60005,430,642,000㌧=5,430,642千㌧
   家禽肉
  428,250㌧×45001,927,125,000㌧=1,927,125千㌧
⑦ 肉調製品(牛肉と豚肉の混合とする)
  370,123×(20,000+6,000)÷2=4,811,599,000㌧=4,811,599千㌧
  合 計 =65,554,986千㌧=6555498千㌧≒655億m3
 となり上記の計算値640億m3とほぼ等しくなる。
4.浄水施設
 主な浄水施設には「直送方式」「緩速濾過法」「急速濾過法」「高度浄水処理」の4種類がある。 
(1)直送方式
  水源水質が良好で無処理で飲料に適した地下水や伏流水は、法律で定められた消毒のみを行う最
 も簡単な浄水施設で、この方式を直送方式と言う。
(2)緩速濾過法
  この濾過法は、砂層で濾過をして水を浄化する方法で、その濾過速度は非常に緩やかで、1日かか
 って深さ5~6mの水を濾過する程度である。
  緩速濾過法では、薬品を薬品を全く用いないにもかかわらず浄化能力は大きい。これは上部砂層に
 微生物が付着して生物膜を形成し、この生物膜で生物処理を行っているためで、例えば濁りや病原菌 を完全に除去できるばかりでなく鉄やマンガン、アンモニアなども除去できる。また、緩速濾過法は自  然濾過のため美味しい水を作ることができる。 初期の浄水施設はほとんどこの処理方式でした。

 

                          緩速濾過方式構造略図
(3)急速濾過法
    天然の浄化力に頼らずに浮遊物を集める凝集剤や消毒のための塩素など薬品の力を
   借りて機械的に高速度で濾過する方法。水が濁っているだけならば、薬品処理によっ
  て濁り成分(分散している微粒子)を凝集させて大形粒子として沈降させた後砂で濾
  過し、最後に塩素叉は次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。濾過のスピードは一日に
120
  ~
150mと言う速さで砂層を通過する。つまり緩速濾過法の24倍から30倍の速さで処理さ
  れる。急速濾過法は所要面積も人でも少なくて済むほか、薬品の種類と量を増やせば
  、緩速濾過法で処理出来なかった汚濁された流入水も処理できるため、新しい浄水場
  のほとんどがこの方法を採用している。

 

                     急速濾過法の処理工程模式図
(4)高度浄水処理
  急速濾過法は、凝集性の有る微粒子は効率的に除去できる反面、凝集性のない物質に
 対しては無力である。急速濾過法の水道水が不味いと言われるのは、例えば、主に畑等
 から流出するアンモニアや、水源に湖沼等の閉鎖性水域が有る場合、ジエオスミン等の
 悪臭微生物が増殖し臭い水が発生するがこれ等の物質の除去が出来ない。また水道原水
 が汚濁すると塩素の添加量をさせざるを得ないが、塩素が増えるとカルク臭が増加する
 。高度浄水処理法は、これらの臭い水、不味い水を美味しい水に替える方法である。
 高度浄水処理法には、①活性炭処理、②生物処理、③オゾン処理、原水の汚染状況や目
 標水質によってこれ等の処理法単独ないしは組合せにより行われる。
① 活性炭処理 
  活性炭は、無数のミクロポアが互いに連結した内部構造を持つ多孔質体で、1g当り
 1000m2前後にも達する非常に大きな表面積を持ち、優れた吸着能力がある。有機物、色
 、臭気、トリハロメタン等の除去が可能である。吸着量が満杯に近づくと吸着能力が低
 下するため、交換再生しなければならないが、活性炭の再生費が高く、維持管理費は高
 い。
② 生物処理
  生物処理法は緩速濾過法と同様の原理で、BOD(溶解性有機物)や臭気、アンモニア等の
 除去ができる。 
③ オゾン処理
  オゾンは非常に強い酸化力と殺菌力を持っているため原水中の臭気、色度、有機塩素
 、細菌類の除去が可能である。オゾンは高分子を低分子化する際どんな中間物質が発生
 するか不明のため、我が国ではオゾン処理の後に、分解性生物除去のため活性炭処理装
 置の設置が原則となっている。
5.美味しい水
 水博士小島貞男氏は、おいしい水について下記のように述べている。
A. 水を美味しくする成分
 (イ) ミネラル
   ミネラルとは、硬度の成分であるカルシウム、マグネシウムをはじめナトリウム、
  カリウム、鉄、マンガンなど水中に溶けている鉱物質の総量のが、この量が水の味を
  左右する大事な要素である。ミネラルが多すぎると硬くて鈍いしつこい味が反対に、
  少なすぎると水は淡白で、こくのない気の抜けたような味となる。ミネラルの適量は
  30~200mg/ℓ,なかでも100 mg/ℓ前後が最もまろやか。 
 (ロ) 硬度
   硬度とはカルシウムとマグネシウムの合計量をいう。これ等の成分はミネラルの主
  要部分を占め、ミネラルと同じで硬度が高いと硬く、しつこく低いとこくのない水と
  なる。適量は10~100 mg/ℓで、中でも50 mg/ℓ前後が好ましい。また硬度成分では、
  特にカルシウムが重要で、これがマグネシウムの量より多い水は味が良く、反対にマ
  グネシウムが多すぎると苦味を増して味が悪くなる。
(ハ)炭酸ガス
   炭酸ガスは湧水や地下水、浅井戸の水などに含まれている。これが十分に解けてい
  ると水に新鮮でさわやかな味を与える。反対に炭酸ガスが少ないと湯冷ましのような
  気の抜けた味となる。適量は3~30 mg/ℓ
 (ニ) 酸素
   水に清涼感をもう一つの成分は酸素である。すなわち酸素のない水は死んだ水で新
  鮮味がないばからでなく、しばしば硫化水素や鉄分など、いやな味や臭いを与える。
  酸素は少なくとも5mg/ℓ以上が望ましい。
B. 水を不味くする成分
 (イ) 過マンガン酸カリウム消費量
   過マンガン酸カリウム消費量とは、水中の有機物量を示す値である。有機物の多い
  水は渋味がある他、消毒のため大量の塩素を必要とするので味は悪くなる。水の味を
  損なわないための過マンガン酸カリウム消費量は3mg/ℓ以下になる。
 (ロ) いやな臭いをつける物質
   味と臭気は一体で切り離すことは出来ない。しかも臭覚の方が味覚に比べてはるか
  に鋭敏であることを思えば、味が薄い水の美味しさは主として臭いで決まるといって
  良い。
  ● ジエオスミン、ジメチルイソボルネオール
    富栄養化の進んだ閉鎖性水域、例えば琵琶湖、霞ヶ浦、印旛沼では毎年ある温度
   条件になると藍藻類等の悪臭微生物が異常増殖し、ジエオスミン等の悪臭物質を放
   出し、臭い水被害が発生している。
  ● 硫化水素
    硫化水素は夏季、湖の底の方や深井戸などで酸素がなくなると出てくる物質であ
   る。卵の腐った臭いがする。 
  ● 残留塩素
    水道水中に残っている塩素のこと、カルキ臭といってよく嫌われている。しかし
   、塩素には消毒の役目がありその使用は法律で定められている。すなわち末端の家
   庭まで塩素が、0.1mg/ℓ以上残っていなければならない。




   







 


 

 
 

 


 


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