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1.分類
植物界┬種子植物
└隠花植物┬その他(シダ類、コケ類、菌類)
└藻類┬その他(真核単細胞生物、原核生物)
└真核多細胞┬その他
生物 └不等毛─┼その他
植物部門└褐藻綱┬その他 ┌その他
└コンブ目┼アイヌワカメ科
└コンブ科
コンブ目(4科14属37種)*昆布製品(4属12種)
科 |
属 |
種 |
コ
ン
ブ
科 |
コンッブ属 |
マコンブ(ヤヤンコンブ含)、ホソメコンブ、リシリコンブ、オニコンブ(リシリ系エナガオニコンブ、キクナガコンブ含)、ミツイシコンブ、ナガコンブ、ガツガラコンブ、チジミコンブ、エナガコンブ、カラフトコンブ、カラフトトロロコンブ、
ゴヘイコンブ、エンドウコンブ、
|
ミスジコンブ属 |
アツバミスジコンブ |
トロロコンブ属 |
トロロコンブ、ガゴメ |
ネコアシコンブ属 |
ネコアシコンブ |
アナメ属 |
アナメ、オオノアナメ |
スジメ属 |
スジメ |
クロシオ属 |
クロシオメ |
アラメ属 |
アラメ、サガラメ |
クロシオメ属 |
カジメ、クロメ、ツルアラメ |
アントクメ属 |
アントクメ |
他 |
その他 |
その他 |
2.コンブ(目)とは
|
コンブは海藻類の褐藻に属する。海藻類にも根、茎、葉があるが、陸上の種子植物の根、茎、葉と機能を異にしている。根は、種子植物の根のように水分や養分を吸収して葉に送る機能はありません。種子植物の葉の裏面には光合成、呼吸、蒸散のため気孔がある。気孔から水分を蒸発する力を利用し、根から水分吸い上げ同時に養分の供給をうけている。
藻類の葉は必要な水分や養分を海水中から直接吸収することが出来るため、種子植物の気孔に相当するものはありません。しかし、藻類は、葉の根元、茎の部分に成長点があり、ここで細胞分裂して盛んに成長し続けます。 特に成長の早いナガコンブは一日に約13センチも延びます。
コンブの葉を例にとると、葉の裏表とも最外部は薄い形成表皮で覆われ、その下に色素が存在する外皮層がある。外皮層下は無色の内皮層があり中心部が髄層になっている。
おぼろ昆布を作るとき、はじめにてがきで外層部を削ります。これがクロトロロで、その後幅広カンナで削ったのが、白おぼろとなる。 その後髄層近くまで削ったのが白とろろで、最後に残ったコンブはバッテラ寿司に使用される。 髄層は細長い糸状の細胞で、篩管と称せられている。断面が篩ふるい板に見えることから名づけられた。光合成反応で出来た糖分は葉から髄層の篩管を通り茎の成長点の付近まで送られる。
コンブには特有の生活史がある。我々が目にするコンブは無性世代の胞子体で雌雄の区別がない。 成熟したコンブは葉に子囊斑しのうはんを作る。子囊斑の組織内で染色体は減数分裂し、染色体nので、長径0.01ミリ弱の洋梨形で長短2本の繊毛を持つ雌雄の遊走子(n)が作られ、子囊斑1cm2当り約3200万個の遊走子を放出すると言う。
遊走子は岩などに付着して有性世代(n)微小な雌雄配偶体に成長する。雌雄の配偶体は成熟すると、雌配偶体は卵を、雄配偶体は精子を作って放出し、受精すると染色体2nの胞子体となる。受精した胞子体は岩などに付着して発芽し成長するとコンブとなる。
コンブ目は大形の胞子体(無性世代)→ 微小な配偶体(雌・雄世代)の規則正しい世代交代を繰り返している、このような世代交代を「コンブ形世代交代」と呼び水中生物は勿論の事、陸上植物にも無い、コンブ目特有の生活史である。
コンブ目にはツルモ科、ニセツルモ科、コンブ科、チガイソ科の4科がある。 ツルモ科とニセツルモ科は、胞子体が円柱状で葉状体のコンブ科と形状が全く異なる。 チガイソ科とコンブ科は茎が分化した胞子葉(めかぶ)に遊走子囊ができることである。
3・コンブの種類と生息地
日本に生息するコンブ類は36種類あり、北は北海道の稚内地方から、南は鹿児島の離島馬毛島まで日本列島に沿って、2000kmに及ぶ太平洋、日本海両岸に広く分布している。コンブの種類は海流と密接な関係があると言われているが、それは海流がもたらす海水の流れのほかに水温、塩分、栄養塩類、透明度など色々な物理的、化学的海洋条件が分布や生育に影響を与えるためである。 また海底地形や低質も重要な要因となることがある。しかし、それらの中で特に基本的な要因となるのは水温であると考えられ、例えば年平均水温が7度の北海道の根室地方と20度を超える九州南端では当然生育する種類は異なる。表1に表示されている様に、54種類のコンブ類が極東地域に分布している。
表1極東地域に分布するコンブ類の種類
|
|
全国 |
北海道 |
本州 |
歯舞諸島 |
南部 |
ニセツルモ科ニセツルモ属 |
1 |
1 |
1 |
0 |
1 |
1 |
ツルモ科ツルモ属 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
コンブ科コンブ属 |
20 |
13 |
13 |
3 |
11 |
7 |
ミスジコンブ属 |
3 |
1 |
1 |
0 |
3 |
0 |
トロロMコンブ属 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
スジメ属 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
アナメ属 |
2 |
2 |
1 |
2 |
1 |
1 |
ネコアシコンブ属 |
2 |
1 |
1 |
0 |
2 |
1 |
キクイシコンブ属 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
ネジレコンブ属 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
クロシオメ属 |
1 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
アラメ属 |
2 |
2 |
0 |
2 |
0 |
0 |
カジメ属 |
3 |
3 |
1 |
3 |
0 |
0 |
アントクメ属 |
1 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
アイヌワカメ科アイヌワカメ属 |
10 |
4 |
4 |
1 |
8 |
4 |
ワカメ属 |
3. |
3 |
2 |
3 |
0 |
0 |
種類数合計 |
54 |
36 |
28 |
19 |
31 |
17 |
表2日本に生息するコンブ類
ニセツルモ科ニセツルモ属ニセツルモ(北海道-太平洋側)
ツッルモ科ツルモ属ツルモ(北海道・全域)(本州全域)
コンブ科コンブ属マコンブ(北)(本)、ホソメコンブ(北)(本)、リシリコンブ(北)
オニコンブ(北)、エナガコンブ〈北〉、ガツガラコンブ〈北〉
ミツイシコンブ〈北〉、ナガコンブ〈北〉、カルガラコンブ〈北〉、
カラフトコンブ〈北〉、チジミコンブ〈北〉、カラフトトロロコンブ〈北〉
エンドウコンブ〈北〉、ゴヘイコンブ(北)
ミスジコンブ属アツバスジコンブ(北海道-オホーツク海)
トロロコンブ属トロロコンブ(北-太平洋)、ガゴメ(北-太・日)(本)
スジメ属スジメ(北-全)(本-太平洋北)
アナメ属アナメ(北-太)、ザラアナメ(北)(本-太北)、テウリアナメ(北-日)
リシリアナメ(北)、オオノアナメ(本州)
ネコアシコンブ属ネコアシコンブ(北海道-太平洋)
クロシオメ属クロシオメ(本州-太平洋中部、日本海南部)
アラメ属アラメ(本-全域、日本海南)、サガラメ(本州-中・南)
カジメ属カジメ(本-太中・南、日)、クロメ(本、日)、スルアラメ(北)(本)
アントクメ属アントクメ(本州-太平洋中・南、日本海南)
チガイソ科アイヌワカメ属アイヌワカメ(北-太平洋)、チガイソ(北-太)、(本-太北)
ホソバワカメ(北-太平洋)
ワカメ属ワカメ(全)、ヒロメ(本-太中南、日-南)、アオワカメ(全) |
日本近海のコンブの棲息地
|
日本及び千島列島、サハリン、朝鮮半島南岸、東岸から沿海州(ソ連)に渡る日本周辺海域には、54種類のコンブ類が分布している。表2から日本産コンブ36種類について見ると。北海道と本州の太平洋北部の還流域を分布範囲にするものと、本州太平洋中南部及び日本海の暖流域に分布するものにほぼ2分できる。
寒海性コンブ類には、コンブ属、ミスジコンブ属、トロロコンブ属、スジメ属、アラメ属、ネコアシコンブ属、アイヌワカメ属がある。
暖海性コンブ類はクロシオメ属、アラメ属、カジメ属、アントクワカメ属、ワカメ属がある。
A 寒海性コンブ類
a還海性コンブ類の全種類を産する北海道の中でも釧路から根室に至る太平洋東部沿岸は最も多くのコンブ
類が分布し、これに隣接する知床岬に至る根室海峡を含めた道東海域は我が国最大のコンブ生育地帯で次
の12種を数える。オニコンブ、エナガコンブ、ナガコンブ、ガツガラコンブ、カラフトトロロコンブ、ゴ
ヘイコンブ、アツバスジコンブ、トロロコンブ、アイヌワカメ、ホソバワカメ、クシロワカメデアル。
b 北海道の代表的コンブでしかも互いに親縁関係が深い次のコンブ類はいずれもその分布域が連続し、重
複しない。:マコンブ、ホソメコンブ、リシリコンブ、オニコンブの4種、ミツイシコンブとナガコンブ
の2種及びチジミコンブとカラフトトロロコンブの2種。
c 北海道日本海側沿岸分布するホソメコンブは寒流の影響をほとんど受けない海域にあり、この点では暖海
性コンブ類と言える。
d エナガコンブ(厚岸)、エンドウコンブ(伊達市有珠)、テウリアナメ、リシリアナメは地域的特産種で
ある。
e スジメは北海道全域と三陸地方に分布する。アナメは北海道全域と青森県津軽海峡沿岸に分布するが寒流
域と暖流の影響を受けた海域では形態変化がある。アイヌワカメ属は北海道(一部三陸地方)の太平洋と
津軽海峡及び知床半島東部にのみ分布し、日本海およびオホーツク海には見られない。
B 暖海性コンブ類
a アラメ属は岩手県南部から宮崎県までの本州太平洋側と九州北岸から若狭湾までの日本海沿岸に分布す
る。
b カジメ属のカジメとクロメは日本海中部を除く本州全域に重複して分布する。
c ワカメ属のワカメは年平均水温が10~20℃範囲内の水域に分布すると言われるが、最近土佐湾や鹿児島
県沿岸でも養殖の影響で天然の生育場がされている。
4・主要コンブ種類の生態等
(1) マコンブ
形態 成長した笹の葉状で長さは普通1.5~3m、幅は20~35cmで縁辺部は薄く大きく波打つ。中帯部は
幅の1/3~1/2を占め、厚さは3~5㎜。葉は黒褐色で、その基部の輪郭は丸みがある。茎は円柱状で
やや扁平で長さは5~12cm、直径5~15mm。子囊斑しのうはんは初め裏面の下部に2本すじ状に出来、
やがて基部から全幅に広がり、次に表面に広がる。
生態 北海道では室蘭市から内浦湾沿いに恵山えざん岬を越えて知内しりうち町まで分布し、主産地は渡島地
方、本州は青森県津軽海峡沿岸から岩手県北部まで分布。コンブの寿命は2年。成長は春に早く、1
日に約5cm伸びる。
漁業 マコンブは産地別に次の5銘柄に分けられている。 砂原さわら町から南茅部みなみかやべ町までの白
口浜は葉は小さいが厚みあり最上の品質である。椴法華とどほっけ村から戸井とい町までの黒口浜は、
白口浜に次いで品質が良いとされている。戸井町汐首しおくび岬から函館市までの本場折浜は比較的長
いものが多い。室蘭市から伊達までの真折浜は長さ幅とも比較的大型いものが多い。八雲やくも町から
森町までと上磯かみいそから知内しりうちまでの場違ばちがい折浜は長さ、幅ともに大型になる。
各地域のコンブの形態的特徴は、生育環境条件の影響を強く受けるが、地域によりある程度固定し
た遺伝的なものと考えられる。このようにコンブの品質は生産地によって異なる。このためコンブの
単価も生産地によって差があり、これを浜格差と呼んでいる。
コンブ漁場の水深は、白口浜で3~10mで主漁場は3~5mの岩礁地帯いである。黒口浜では3~
12mで主漁場は浅みの岩礁地帯に出来る傾向がある。本場折浜では3~18mと深く低質は岩礁とり玉
石地帯が多い。特に優良な漁場での生育密度は1m2当り10~20本である。
マコンブ |
ミツイシコンブ |
(2)ミツイシコンブ
形態 成長した葉は帯状で、長さは2~7m。縁辺部は緩やかにうねる程度で、殆ど波打たない。中帯
部は幅の約1/6と細い。葉の基部の輪郭は広い楔形叉はほぼ円形で、葉は緑色を帯びた黒褐色。茎は
円柱状で長さは3~7cm、直径5~8mm。子囊斑は最初、裏面に出来1~3ヶ月後表面にも出来る。
両面の子囊斑は通常互いに異なる位置にできる。成熟が進むと子囊斑は両面とも基部から全幅に広
がる。
生態 津軽海峡に面した汐首岬から襟裳岬をへて釧路地方の白糠しろぬか町まで分布する。主産地は日高
地方と十勝地方である。また、青森県と岩手県の太平洋側にも分布する。
寿命は4年とされているが、漁業対象になるのは2~3年めコンブで、普通2年目コンブの群落に3
年目のコンブが混じっている。最大成長期には1日8cm伸びる。
漁業 主産地の日高地方で最も良好な魚場は、海水の流れの強い海岸線にほぼ平する岩礁地帯である。魚
場の水深は、襟裳岬付近で8m位が最も深いが、主な魚場は干潮時の水深で2m程である。ミツイシコ
ンブは流れの良い岩礁に密生するため、特に優良な魚場での成育密度は1m2当り10~40本と比較的高
い。
ミツイシコンブの生産量は明治中期から大正にかけて減少したが、昭和初期に増加し1940年には7700
トンを記録した。以後1960代初期まで再び減少したが、その後、1990年頃まで増加の傾向であった。
1989~1998年の生産量の平均値は5700tであった。日高地方でも上浜、中浜、並浜と称する浜差があり
浦河町井寒台いかんだい地区が特上浜である。マコンブやリシリコンブには及ばないが日高昆布として
市場に出回る。
ナガコンブ
|
オニコンブ |
(3)ナガコンブ
世界のコンブ属のうち最も長くなる種。 成長した葉は細長い帯状で、長さは普通4~12mで、名
前の通り15mを越える長いものもある。 幅は6~18cmで、中央部よりやや上部で最も広い。中帯は
幅の1/4~1/5である。 葉は灰色を帯びた黒褐色。子囊斑は葉の両面にほぼ同時に同位置にでき成熟
が進むと基部から先端に向けて全体に広がる。ナガコンブはミツイシコンブと非常に良く似ており植
物学的には同一(変種)と考えられていたが、子囊斑の出来方が違うため、現在では別種と考えられて
いる。
生態 釧路、根室地方の太平洋沿岸、歯舞諸島、クナシリ・エトロフ島周辺に分布する。ナガコンブの
寿命は3年だが、漁業対象は主に2年目コンブである。成長は早く、一日最大13cm伸びる。子囊斑は
1年目コンブで9月から翌年の春まで、2年目コンブで6月から冬まで見られ、遊走子を盛んに放出す
る時期は、1年目コンブで秋から初冬、2年目コンブで夏から秋である。1年目コンブ(冬季発芽群)
は12月から翌年4月発芽し、1年数ヶ月後の夏に2年目コンブとして漁獲対象となる。2年目コンブ
(夏期発芽群)は7~10月に発芽し2年数ヶ月後の夏に3年目コンブとして漁獲象となる。
釧路のナガコンブ漁場では3~4月に長さ数cmの小コンブが1m2当り数10万本着生するが、これら
は時化しけ(海が荒れる)などにより2~3ヶ月後には95%以上流出し、翌年の漁獲対象に成るまで生
き残るのは0.04%以下である。
漁業 ナガコンブの漁場は普通水深3mより浅い所に出来る。しかし、流れが強く透明度が高い地域では
水深6mまで群落が出来る。特に優良な漁場での生育密度は、1m2当り20本程度である。
釧路、根室地域で流氷が接岸する年は、コンブが流氷によって掏り取られ、凶漁になることが多い。
しかし、流氷の接岸はコンブと競争関係にある雑海藻を除去する効果があり、接岸の2年後以降数年は
豊漁が続く場合が多い。
ナガコンブが盛んに採取されるようになったのは明治以降である。生産量は明治から大正にかけ年間
1~2万トンで昭和初期に急増したが、第二次世界大戦以降は魚場の縮小により減少した。貝殻島周辺
のコンブ漁は1963年日ソの民間協定によって再開された。1977~1980年の4ヵ年は一次中断したが、
その後は毎年採取量を支払いって操業が継続されている。釧路、根室支局における1989~1998年の生
産量の平均は1万700トンである。なお、この生産量には約2500トンのガツガラコンブとオニコンブ
(羅臼町を除く)ネコアシコンブ、トロロコンブなど合わせて数百トン含まれている。
(4)オニコンブ
成長した葉は笹の葉状で、長さは普通1.5~3m、幅20~30cm、中央部よりやや下で最も広い。縁辺
部はマコンブより薄く、幅の広いものほど著しく波打ってちじれる。中帯部は幅の1/3~1/2を占め、そ
の厚さは4~7mm。葉は黒褐色のものから赤褐色のものまである。基部の輪郭は円形。茎は円柱状で、
長さは6~10cm、直径8~15mmで上部は次第に扁平となる。子囊斑ははじめ裏面に2本の筋状に出来
、その後基部では全体に、上方では中帯部のみ広がる。表面は中帯部と両縁に帯状かつ斑紋状に出来る
。オニコンブは長さの割りに幅広い葉が特徴的であるが、マコンブと共通する形質が多い。
生態 北海道では、厚岸町から根室市を経て羅臼町まで分布し、主産地は羅臼町である。また、歯舞諸
島、クナシリ島、エトロフ島、サハリンまで分布する。太平洋では、ナガコンブ、ガツガラコンブな
どと分布が重なるが、これらのコンブ類に比較すると湾や入江など波の緩やかな所に生息する傾向があ
る。特に優良な漁場での生育密度は1m2当り10~15本である また、オニコンブの寿命は、羅臼で2
年、厚岸・根室では3年である。
漁業 オニコンブ漁場の水深は羅臼で9m、根室等太平洋沿岸では1~3mである。厚岸町から根室市歯
舞で獲れるオニコンブのうち秋に獲れる2年目コンブを「茎なが(首なが)」、3年目昆布で春から初
夏に獲れるものは「ぱふら昆布(春茎なが)」、夏から秋に獲れるものを「大厚保葉」と呼ばれている
。羅臼町で生産されるオニコンブは北海道水産物検査規格で「リシリ系えながおにごんぶ」言う名称が
付けられている。 羅臼での1989~1998年の年平均生産量は天然コンブで425トン、養殖昆布213トンで
あった。
リシリコンブ |
ホソメコンブ |
(5)リシリコンブ
形態 成長した葉は細長い笹の葉状で、長さは1.5~2.5m、幅13~20cmである。縁辺部はわずかに波打つ
、中帯部は幅の1/3~1/2である。産業上マコンブとリシリコンブは区別されるが、植物学上は同一種
(変種)と考えられている。
生態 北海道では松前半島の白神しらかみ岬から日本海及び宗谷海峡を経て知床岬まで分布する。主な分
布は羽幌はぼろ町から網走市までで主産地は稚内市、利尻島、礼文島である。寿命は2年である。2年
目の5~6月に長さ、重量共に最大となり、この期間に一日当り1.6cm伸びる。子囊斑は1年目昆布で
は9月、2年目コンブには7月から出来る。一年目コンブに子囊斑付くには、肥大度が約110mg/cm2
になる頃で、浅みに生育する個体の方が早く成熟する傾向がある。子囊斑1m2当り3200万個の遊走子
がでる。遊走子の放出は10~12月に多く、主に主に日の入りから、日の出までの夜間に放出され、普通
数時間以内に岩などに付着する。
漁業 リシリコンブ漁場の最大水深は15mくらいである。宗谷地方では水深1~7mの岩礁地帯に生息
する。オホーツク沿岸でも1~7m生育するがもともと岩礁が少ない上に毎年接岸する流氷に擦りとら
れため漁場は狭い。これに対し、利尻島、礼文島の海底は起伏に富む岩礁や転石地帯でリシリコンブは
水深13mまで生育するが、主漁場は0.5~7mである。 特に優良な漁場の生育密度は1m2当り10~30
本である。
留萌、宗谷、網走の3支庁を合わせた生産量は1950年代6000トンを超え、それ以後急激に減少してい
る。1989~1998年の生産量の平均は天然コンブが1224トン、養殖コンブが432トンであった。
(6)ホソメコンブ
形態 成長した葉は帯状から笹の葉状。波打ち際に生息するものは長さ0.4~1m、幅5~10cm。中帯部
は幅の1/3くらい。マコンブと類似点が多い。生態 北海道では利尻島、礼文島から日本海沿岸を経て
渡島半島の福島町まで、主分布は留萌市以南で、主産地は桧山ひやま地方と後志しりべし地方である。
ホソメコンブの寿命は一年。成長期の一日の最大伸びは2.5cm
ガツガラコンブ
|
ガゴメコンブ |
(7)ガツガラコンブ
形態 成長した葉は帯状で、長さは2~5m、幅8~20cm、縁辺部は殆ど波打たない。中帯部は幅の3/3
~2/3をしめる。中帯部が非常に幅広く、縁辺部でも厚みがあり、二つ折にすると容易に割れるほど硬
くて脆い。中帯部が1/2以上に成る点は他の有用コンブにない特徴。
生態 釧路、根室地方の太平洋沿岸と歯舞・国後・択捉周辺に分布する。ナガコンブと同じ地域に分布す
るが、ナガコンブより波が直接当らないところ、ナガコンブよりやや深い所に生息する傾向にあり、普
通水深6~7m位まで分布する。子囊斑の形成時期はナガコンブより遅く、1年目コンブで10月下旬、
2年目コンブで9月中旬以降である。 寿命は3年だが、漁獲対象は主として2年目である。
漁業 良質はコンブが成育する水深4~5m。 生育密度は1m2当り10~30本。1988~1997の生産量の
平均は2600t。 製品単価はナガコンブより高い場合が有る。
(8)ガゴメ
成長した葉は、幅広い笹の葉状で長さは1.5~2m、幅は15~30cm、縁辺部はほとんど波打たない。
中帯部は幅の1/4~1/3。葉は黄褐色叉は黒褐色。子囊斑は初めのうち、裏面基部の窪みにでき、中帯部
に沿って上方に広がり、全面に及び表面にも出来る。表面の中帯部と両縁辺部の間に膨らみを伴った1
本の隆起条がある。葉の中央から縁辺部に向かって雲形の凹凸紋が斜めに並ぶが、老成すると不明瞭に
なる。雲形の凹凸紋はガゴメを含むトロロコンブ属の特徴である。 北海道東部に分布する同属のトロ
ロコンブはガゴメによく似るが、中帯部がガゴメより狭い。
生態 北海道では函館市から室蘭市まで分布する。主産地は渡島地方である。ガゴメはマコンブよりや
や深い所に生育する。しかし、マコンブが減るとガゴメは浅い所にも増えてくることから、両種は生育
場所を巡って競争関係にあると考えられる。 ガゴメの大形個体が密生することは少なく、大形個体を
取り除くと下草として生育していた小型の個体が伸長を始める点が、他のコンブと異なる。
漁業 ガゴメは昭和初期まで殆ど利用されていなかった。
1988~1997年の生産量の平均は1659トンである。このうち南茅部みなみかやべ町の生産量が約60%を占
めるが、同町では、1993年以降急激な」原産傾向にある。
* 参考文献;北海道新聞社編;新北のさかなたち
5・コンブの漁獲と生産等
(1)コンブの漁獲
天然コンブを取るには、地区漁協が日和見ひよりみ(天候の確認)後に出す旗(「旗揚げ」と言う)とサイレンを合図に、朝5時一斉に出漁する。 各地区の漁業組合員達は、二人一組で一つの船に乗り、あらかじめ見定めておいた漁場へ行きます。一人はガラスメガネで海の底を覗きながら、「まっか」又は「ねじり」でコンブの根元を絡めて巻き取ります。もう一人は櫂を使って舟を操ります。そうやって、船に出来るだけ多くのコンブを、根元を揃えて積んで生きます。コンブで満タンになると、一旦浜に戻ってコンブを降ろしまた海に出る、を繰り返します。およそ10時ころ、旗が下げられたのを合図に漁をやめます漁具には、かぎ(かぎかけ)、まっか、ねじりやまっきなどがある。かぎはやや浅みのコンブを採るために使う。横になびいているコンブにかぎをかけて船べりに引き寄せ、手で引き抜く。この方法は良質なものだけを選んで採れる利点がある。やや深みでは、棹の先に二股状のかぎを取り付けたまっかや十字上のかんざしを取り付けたねじりを使う。これ等の漁具は海底に下して回転させコンブを絡めて抜き取る。
この方法は、コンブを傷めたり、1年目コンブを採る危険性がある。 また、棹の先に鎌を付けて刈り取る地域もある。海岸付近を漂流するコンブはまっきと言う投げかぎを波打ち際から沖に向って投げ引っ掛けて採る。深い漁場ではひきかぎも使われる。
|
(2)コンブの乾燥
元来、コンブの乾燥は「天日乾燥」であったが、護岸の開発や護岸工事等様々な要因のため適した場所が減っており、昭和40年天日乾燥は減少している。
天日干し場所を「干場かんば」と言い、砂利と小石が敷き詰められている。ここにコンブを一枚ずつ表向きに並べて干す、これはコンブの裏面は窪んで水が溜まるためである。濡れたコンブは粘り気があり石がくっくことがある。そのため2時間干したら昆布を少し引いて移動する、これを「浜寄せ」と言う。そして万遍なく乾燥させるためコンブを裏返しにする、これを「手返し」と言う。 その後大まかに選別し、さらに部分的な乾燥をおこなう。(3)コンブの仕立て
コンブの種類、生産状態、性状或いは利用の方法などによってさまざまな荷姿に結束され、仕立てられる。 一番多く結束されるのが長切り仕立てである。 コンブの葉体を揃えてから両端を一定の長さに切断して結束するものであるが、生産量の多いナガコンブ、日高コンブ、利尻コンブがこの結束の主体で普通20kg結束にする。「元揃仕立」「折仕立て」は葉体全体を高度に加工する、マコンブや羅臼コンブなどの折り畳んだ結束法である。一例としてマコンブの「元揃仕立」を挙げます。
①昆布洗い機にかけ、コンブに付着する異物を除去する。②洗ったコンブを乾燥室に吊り下げ(コンブの背丈約2m)で干す。③乾燥したコンブを湿度の低い部屋で保管。④蒸し器にかけて軟らかくする。⑤蒸したコンブをローラーにて平にする。⑥専用の台にのせ一定のサイズにカットする。⑦最後は丁寧に折り畳む。⑧湿度の低い部屋で保管する。
コンブは成長するにともない品質が硬化し風味も変化するので、採取時期によって銘柄が区別されている。コンブが解禁採取される前に間引き調整の目的で採取されるものを「棹前昆布」と言う。一般に成コンブの解禁は7月10日頃からであるが、解禁から大体9月初め頃まで採取されたものを「走り(叉は夏採)」、9月中旬に入ってから採取されたものを「後採(叉は秋採)」とに区別している。水昆布(一年昆布)、拾い昆布、養殖昆布がある。
また銘柄別に一定の規格により1等から4等、5等など公的な検査機関によって格付けされ、その後、計量、圧搾し等級別に決められた色のバンドで束ね検査協会の検査を受けて出荷する。検査項目は葉の選別、荒葉の混入、虫食い、傷葉、赤葉及び枯葉、光沢、白粉、調整の仕方1束の枚数、雑物混入などがある。
昆布の生産地取引は、入札の他、昭和40年前後には1等の価格を100とし二等は80、3等は60の割合の値決め方式であったが、最近は毎年比率が変わり2,3等の比率が高くなっている。この値決め方式により短期間に大量の昆布の取引が可能となった。
(4)昆布の種類と特徴
種 類 |
特 徴 |
用 途 |
真昆布 |
くせの無い上品な甘味を持つ清澄だしがとれる。
噛めば噛むほど甘味がでる、最高級品 |
だし用、おぼろ・とろろ、
塩昆布、 |
利尻昆布 |
真昆布同様上品で、清澄なだしがでる。真昆布より、
幾分塩味、京都では一番人気 |
だし用、千枚漬け、おぼろ・
とろろ |
羅臼昆布 |
昆布の王様と呼ばれる程味は濃く、香りが高い。
だしに色が付く、味が濃過ぎと |
だし用、おやつ |
細目昆布 |
肉厚で硬く、甘味、香りが乏しい |
とろろ、おぼろ、佃煮 |
日高昆布 |
繊維質が柔らかく煮物に適する、真・羅臼・利尻昆
布に比較するとだしの甘味が少ない |
煮物、昆布巻き、佃煮、
だし用 |
長昆布 |
シーベジタブル(海野菜)と言われるほど軟らかい、
特に棹前昆布は煮物に最適 |
煮物、昆布巻き、佃煮、塩昆布
当加工用、出し用不適 |
厚葉昆布 |
長昆布と同様煮物・加工用 |
煮物・加工用 |
ガゴメ昆布 |
長昆布と同様煮物・加工用 |
煮物・加工用 |
*参考文献;大石圭一著「昆布の道」
6・コンブの養殖
コンブの安定供給を目的に、昭和30年代からコンブの養殖は始まり、40年代に実用化された。しかしながら、天然ものに比べて手間や費用がかかる養殖コンブ品質は、天然物に比べて見劣りし、当然天然物に比べて安くなる。従って現在マコンブ、リシリコンブ及び羅臼コンブの高級コンブだけに行なわれている。
養殖コンブには、2年間かけて成コンブを育てる「2年養殖」と1年間で成コンブを育てる「促成養殖」がある。リシリコンブと羅臼コンブは前者でマコンブは後者である。
A 養殖(2年養殖)
養殖漁場にロープを流して、自然の力でロープに芽胞体を着生させる。一年目葉体になったコンブを秋口に間引きして、ロープに均等にコンブが着生するようにします。
後は天然物と同様に、2年目葉体が成長するのを待ち、夏に収穫する。
B 促成(1年養殖)
① マコンブの母藻は8月から9月に天然コンブを潜水により採取する。
② 母藻の傷の部分や子囊斑の未形成の不要な部分を雑菌混入防止のため切除する。
③ 母藻は一枚ずつ丁寧にスポンジを使って海水で洗浄します。
④
母藻の水切りのため陰干しをする。
⑤
陰干ししたコンブを1本づつ古新聞でまきます。
⑥
古新聞に巻いた昆布を段ボール箱に詰め一晩按孃あんじょうします。
⑦
按孃のおわった母藻を減菌海水に浸し遊走子の放出を促します。
⑧
遊走子の放出状況を実態顕微鏡で確認して個数を数える
⑨
遊走子液からぬめりや雑物を取り除くためにガーゼで濾す。
⑩
種苗培養の100ℓボックスに⑨の遊走子液を数ℓづつ投入する。
⑪
遊走子を着生させる種苗糸(クレモナ糸径2mm×300m=緫かせ)を⑩のボックスに入れ遊走子を着生
させる。
⑫
翌日、水替え用のボックスに培養液を添加し、遊走子が着生した種苗糸を入れ培養を開始する。促成コ
ンブの種苗培養には主な培養液としてESI液を用いる。 これは塩化マンガン、塩化第二鉄、硝酸ナトリ
ウム、トリスアミノメタンなど10種以上の栄養塩類が調合されており、コンブ葉体の成長促進のため培
養する減菌海水に添加し栄養強化します。
⑬ 種苗糸。種苗は8月、9月に行い、約40日後の10,11月に葉体が3~5mmに成長したものを種苗糸に
着生したまま養殖業者に出荷する。
⑭ 中間育成 入荷した種苗を沖合いの仮植する。水深5日間までは7~ 9mに下げ、その後、徐々に引き
上げ3~3.5mにして10日間くらいで終了する。
仮植は、コンブ種苗を外海に馴らすことや、密植状態の種苗から弱い種苗を落とし強い種苗を生き残
らせる間引きの意味もある。
⑮ 仮植した種苗糸を5cm程度に切断し、養成綱に30cm間隔に挟み込みます。
⑯ 養成綱を施設に垂下し、コンブ養殖を開始する。
⑰ 約3ヶ月後に1回目の間引き作業を行う。
C 中国のコンブ養殖
日本人大槻洋四郎は昭和19(1944)年太平洋戦争のさなか、中国でコンブ養殖の研究を開始し、大連、
雲台でコンブの養殖に成功した。現在中国では年間70万tとも80万tともいわれる大量のコンブが養殖で生
産されている。その約半分は山東省で生産され、福健省、遼寧省でも生産されている。その多くは化学工
業用原料としされ食用は少ないようであるが、それでも日本に年間約1000トン輸出し、中国は現在世界い
のコンブ生産国である。
大槻洋四郎は、研究の地を日本で無く、なぜ中国を選んだか? 彼は、コンブは何処でもできるはずだ
との考えで、あえてコンブの全くない中国を選んだようである。
*参考文献;北海道の漁業図鑑等
7・コンブの生産量
明治時代の天然コンブの生産量は乾燥重量で年間2万トンであった。大正から昭和初期は政府の勧業政策により5~7万トンが生産され、中国にも輸出していた。しかし、第二次大戦後北方領土での生産が出来なくなったため、生産量が激減した。
近年、天然コンブは2~3万トンの範囲で豊凶を繰り返しながら減少傾向にあり、1989~1998年の生産量の平均は2万2000トンである。一方1970年ころに始まった養殖コンブの生産量は次第に増加して、1989~1998年の生産量の平均は6000トンとなった。北海道のコンブ生産量は全国の9割をしめる。
|
H13(2001)年 |
平成14年 |
平成15年 |
平成16年 |
平成17年 |
天然コンブ |
97,261 |
104,402 |
84,274 |
91,122 |
78,575 |
養殖コンブ |
63,200 |
51,128 |
50,978 |
47,256 |
44,489 |
合 計 |
160,461 |
155,530 |
135,252 |
138,378 |
123,064 |
8・コンブの新分類
コンブ科植物は世界の主に寒帯域と温帯域におおよそ47種(別文献54種)生育することが知られている。 そのうち日本には北海道から鹿児島の沿岸にかけて27種(〃36種)が分布しており、特に北海道沿岸及び東北北部の太平洋沿岸に分布の中心を持つ寒海性の種類は19種と著しく多様性にとんでいる。
日本産の寒海性コンブは一般に「生長段階」や「生育環境」の違いによる形態変異が著しいことが知られてきた。 そのため種レベルの分類学的議論が長年にわたり続けられている。 現在これ等の種は形態的特性からコンブ属、ミスジコンブ属、トロロコンブ属、スジメ属、アナメ属、ネコアシコンブ属の何れかに収められ属レベルでは明確に区別されている。 ところがこれら属を分けるための形質と見なされる形態について、例えば、ミスジコンブ属の特徴である「葉状部を縦走する隆起した条」はコンブ属の葉部の山が顕著に現れたのではないか、或いはトロロコンブ属の特徴である「葉の凹凸模様」はコンブ属の葉に凹凸模様が現れたのではないかとの疑問が湧く。 これまで日本周辺に生息するコンブ目について分類していたが、広く世界を見渡すと、矛盾点が発生すると言う。 例えばコンブ属は「単葉状で中体部持つ種」世界にはこの分類か適用できない種があると言う。
このため、形質以外分類法がされていたが、DNAの塩基配列による分類が有効であることが分かり各種の分類案が発表されている。 そのうち有力なものに下記の分類(分子系統樹)がある。
コンブ目植物についての分子系統樹
┌…………………………………………………………………………………………………┐
: ┌┬ Laminaria A :
:
┌┤└ カラフトトロコンブ(Rausu) :
:
┌ ┤└─ カラフトコンブ :
:
│ └── アツバススジコンブ :
: │ ┌─ Laminaria B :
:
├ ┴┬
ミツイシコンブ :
: ┌─┤ └ ナガコンブ :
:
│ ├─ ┬ カラフトトロロコンブ(Nemuro) :
:
┌─ ┤ │ └ トロロコンブ :
: │ │ └─── ガゴメ :
:
┌─┤ └───── ネコアシコンブ :
:
│ └─────┬─ カジメ属、アントクメ属、アラメ属 :
:
│
└─
ゴヘイコンブ :
└…………………………│………………………………………………………………… ┘
┌…………………………│……………………………………………………………………┐
: │ ┌─ アナメ :
: ┌─┤ ┌─┴─ ザラメ :
: │ └─────┬┴─── Thalassiophyllum.clthrus :
: │ └──── スジメ :
└………………┌─┤…………………………………………………………………………┘
│ └──────────── アイヌワカメ属
├────────────── ワカメ属
└────────────── ツルモ科
|
この分類では、マコンブ、ホソメコンブ、リシリコンブ、オニコンブ、エナガコンブはLaminaria A
に入り同一グループ即ち同一種として扱われている。 またアツバコンブ、チジミコンブ、エンドウ
コンブはLaminaria Bに入り同一種として扱われている。 またスジメぐループはコンブ科とは別の
グループになっている。
参考文献:藻類第55巻2007年11月10日
[藻類]とは、酸素発生型光合成を行う生物のうち、主に地上に生息するコケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称である。 即ち、原核生物(細胞に核を持たない)であるシアノバクテリア(藍藻)から真核生物(細胞に核を持つ)で単細胞生物であるもの(珪藻、黄緑藻、渦鞭毛藻等)及び多細胞である海藻類で、旧分類「隠花植物」から種子植物、シダ植物、コケ植物および菌類を除いたものである。
現在下記の分類が提案されている。
A アーケプラスチダ
藍藻の一次共生に由来する葉緑体を持つグループ
灰色植物部門
紅色植物部門(紅藻類)
緑色植物部門(緑藻類、その他を含む)
B クロムアルベオラータ
紅藻の共生(二次共生)に由来する黄色の葉緑体を持つクロミスタと単細胞生物としては細胞構造の最も
複雑なグループをまとめた群。
クリプト植物部門
ハプト植物部門
褐藻綱(褐藻類)
その他(その他13綱)
C リザリア
分子情報を根拠として定義された群
クロララクニオン植物門
D エクスカバータ(ユーグレナ植物部門)
E クロムアルベオラーターアルベオラータ(渦鞭毛植物部門)
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