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1・概 要
サンマは秋刀魚とかく。名前の由来は体型からで、形も色も刀に似、秋に獲れる刀のような魚から来た。今では秋の味覚の代表となったサンマではあるが、食されるようになったのは比較的新しく江戸時代になってからである。我々の祖先である大和民族は、鯛、黒鯛、ヒラメなどを好んで食したが、これらの魚は何れも白身の魚である。
鯖やサンマ等の赤身の魚(青魚)は下品な魚として食せず、もっぱら油の原料等として利用した模様である。 江戸時代庶民の間から食の習慣が始まった。食してみたら意外と美味であり、たちまち全階級及び各地に広まったようである。
サンマは太平洋の赤道直下の熱帯地域と北極圏の寒帯を除く亜熱帯から亜寒帯の広い海域に生息する、漁業資源の豊富な魚種であるが、この豊富な漁業資源を利用していたのは世界で日本だけであった。 しかし、近年ではソ連、韓国、台湾で漁獲し始めた。
2.分類
サンマ科は新鰭亜綱しんきあこう棘鰭上目きょくきじょうもくダッ目ダッ亜目サンマ科に属する魚類の分類の一つ
である。
ダッ目┬メダカ亜目(1科4属28種
└ダッ亜目┬トビウオ上科(2科20属38種)
└ダッ上科┬ダッ科(10属34種)
└サンマ科┬サンマ属 ┬ サンマ
│ └ 太平洋ミニサンマ
├Scomberesox属┬ ニシサンマ
│ └ハシナガサンマ
└─────── 大西洋ミニサンマ
サンマ科は古くから独立の科として分類されてきたが、2000年代の塩基性配列に基づく分子生物的解釈の多くは、本科の単系統性を否定している。本科はダッ科の内部に含めたことで単系統群を構成すると見られている。
サンマ科は2属4種認められている。しkっし、2属のうち小型種をサンマ属から分離して、4属4種として扱う場合、大西洋ミニサンマを亜種にする案もある。
3・生物学的分類と特徴
サンマはダツ目に属する。ダツ目には、淡水魚で小型魚が中心のメダカ科、空を飛ぶことが出来るトビウオ科、サンマと同様口が嘴のように尖った、ダツ科とサヨリ科の5科があり、バライテイに富んだ目である。
サンマ科に所属する魚種は、南太平洋分布する「ハシナガサンマ(クチナガサンマ)」、ハシナガサンマの亜種で北大西洋や地中海に分布している「ニシサンマ」、その名の通り体長が数センチ程度で東部太平洋~ハワイ諸島に分布している「太平洋ミニサンマ」、同様に体長10数センチしかなく大西洋やインド洋に分布している「大西洋ミニサンマ」そしてお馴染みの「サンマ」の4属5種である。
サンマ属は1属1種で、サンマは熱帯域と寒帯域を除く北太平洋広い海域に分布しているが、日本近海に生息するサンマ科魚類はサンマ種しかいない。サンマの特徴は①背鰭と尻鰭に小離鰭しょうりき(小さな分離鰭)があること、②背鰭の起部は尻鰭の基のやや後部にある。③側線は体側下部を走る、④下顎は上顎より突き出している、⑤生時、下顎先端部は黄色である。 以上がサンマ種の特徴である。
4・生育
サンマの卵は、長径1.7~2.3mm、短径1.5~2.0mmの楕円形で、動物極の卵門(精子侵入口)周囲に十数本の纏絡糸てんらくしがありそこから約90度のところにもう1本の長い纏絡糸がある。卵は一般に流れ藻等に産み付けられ、卵はおたがいの纏絡糸で絡み合い葡萄状に連なる。
卵の孵化日数は水温に逆比例し、15℃で約2週間を要する。孵化時の稚魚体長は5.3~7.8mmで少量の卵黄をもっている。卵黄は3日程度で消費され、摂餌活動に移行する。 サンマの主要な餌生物は動物プランクトンで仔魚期はカイアシ類の小型の動物プランクトンを摂餌している。体長が10~25mmの仔魚期の間に各鰭の条数が定数に達し基本的な体型が出来上がり稚魚期に入る。
稚魚期(25~60mm)に鱗が発生、運動能力が増加し、群れを形成し始め、光に強く反応して昼間は下層へ、夜間は表層へと日周活動活発になる。
幼魚期(60~150mm)、鰓には針状突起が生じその数が定数に達する。 体型がほぼ成魚に近くなる。 摂餌活動が活発で極めて急速な成長を示す。
未成魚期(150~200mm)、混合水域から親潮水域へ移動する時期にあたる。 餌の変化と共に代謝の変化が生じ、体長―体重関係にも変曲点が生じる。
成長期 体長20センチ付近に達すると、生殖腺の発達に変化が見られる。
5・分布・回遊
北太平洋のサンマは日本近海からアメリカ沿岸までの広大な海域に、日本に近い北西太平洋群、中央太平洋群、北東太平洋群と大きく3群に分かれて生息している。
産卵準備期に達した北西太平洋群のサンマは黒潮前線を乗り越え産卵すると推定されている。秋から春にかけて発生した仔魚は、発育が進むに従い黒潮前線に移動し、仔漁期から稚魚期への移行期に前線を乗り越えて、動物プランクトンの豊富な混合水域へ移動する。混合水域で稚魚期から幼魚前期への移行過程にあるサンマは、春季に黒潮からの北上暖水の張り出しによって形成される前線周辺に集合し、体長10㎝前後の幼魚後期に達すると、その前線を乗り越えて北上回遊し、親潮―亜寒帯前線南縁に集合する。次いで、幼魚後期から未成魚期へと移行したサンマは、親潮―亜寒帯前線を乗り越えて北側の親潮―亜寒帯水域へ移動する。また、大型或いは漁期中に大型になる成魚の内、生殖腺の発達していないものは、それら2つの前線を乗り越え親潮―亜寒帯水域へ移動するが、生殖腺の成熟したものは混合水域に止まり、産卵をすると考えられている。
親潮域に入った魚群は、広い範囲で索餌回遊を続けるが、その分布の北端は、例年千島列島沿いの表層域に、夏期だけに形成される水温約10℃の千島前線とのの南側に、同じく夏期の表層域に形成される15℃前後の浅層温度前線の範囲付近にある。この索餌回遊期には魚群が分散する傾向にある。
8月下旬から9月上旬にかけて、浅層温度前線が崩れると、魚群の南下移動が始まり、親潮前線の北縁に集合滞泳する。 親潮は植物プランクトンや動物プランクトンが豊富で、サンマが餌としている、カイアシ類やオキアミ類(ツノナシオキアミ等)が多い。 特に主要な餌料プランクトンのCalarnusには脂質ワックス・エステルが非常に多く含んでいる。 サンマはこれを食べエネルギー源となるグリセロールの形に変えて貯蔵脂肪酸として体内に蓄える。 これを沢山蓄え太ったのがいわゆる“脂乗った美味しいサンマ”である。
10月上旬から中旬沿岸沿いの親潮第一分枝及び沖合いの親潮第二分枝を通って南下し、三陸沿岸及びその沖合いの混合水域に移動する。 南下回遊期に生殖指数0.4以上の産卵準備期サンマは黒潮水域に入り産卵回遊期に入るものと推察される。一方、生殖腺が未発達で成熟指数が0.4以下のサンマは混合水域以内或いは黒潮水域内で越冬すると考えられている。
秋から春にかけて生まれた稚魚は秋季には体長20~28センチの中・小型魚に成長する。混合水域等で越年した中・小型魚は翌年大型、特大型となって北上回遊に参加する。 成長するに従い、耳石日周輪の計数が困難になるが、体長29センチ以上の大型魚の耳石には越冬の経過を透明滞があることより、28㎝以下は当歳魚(0歳)、29㎝以上が1歳魚と考えられている。 耳石に透明滞が2本以上ある魚いないことから、サンマの寿命は2年までと考えられている。
参照文献;「食の科学1990.9」(特別企画サンマ)等
6・漁 法
サンマの漁獲方には、棒受網、刺し網、定置網があるが、棒受網が主流である。この棒受網が始まったのは第二次世界大戦以後である。戦時中軍事上の要請で中止されていた火光利用棒受網漁法をサンマ漁業に導入することで、漁獲能率が著しく向上し、漁獲量は急増した。操業船数も昭和22年600隻から、昭和24年には大小合わせて2000隻になり、昭和25年にはその割合が90%以上に達し、サンマ漁業の中心的漁法となった。
サンマの漁獲方
サンマ棒受網漁業は、日没から夜明けにかけて行われる。魚は夜、光に集まる習性があります。「サンマ」は特にその習性が強く、大群をなして海面の上層を回遊します。 一度光に集まると、同一方向に旋回運動をし、容易には離れないので、この習性を利用して、「サンマ」を棒受網に誘導し、漁獲する。
① 魚群探知機とサーチライトで「サンマ」の群れを探します。「サンマ」の群れを発見したら集魚灯
を点灯しながら群れまで船を移動させ「サンマ」を集めます。
② 左舷側の集魚灯を消灯し、右舷だけを点灯し「サンマ」の群れを右舷側に集めます。その間に左舷
側にあみをしきます。
③ 右舷側の集魚灯を船尾から順番に消灯すると同時に船首の集魚灯と左舷網側の集魚灯を順番に点灯
して「サンマ」の魚群を網の方に誘導します。
④ 「サンマ」群が網側に集まった時点で集魚灯を全て消すと同時に左舷側大竿の赤色灯を点灯し、興
奮している「サンマ」の群れを落ち着かせ網の中で群れ行動をとらせる。
⑤ 「サンマ」が網の中で旋回状態になったら網を手繰り寄せ、網上の「サンマ」をフィッシュポンプ
で海水と一緒に汲み上げ氷を混ぜながら魚倉に入れる。
7・漁獲量
表1 年別漁獲量と価格
平成年
|
H8
|
H9
|
H10
|
H11
|
H12
|
H13
|
H14
|
H15
|
H16
|
H17
|
水揚量(千トン)
|
213
|
283
|
139
|
135
|
211
|
268
|
203
|
258
|
205
|
226
|
価 格(円/kg
|
110
|
95
|
210
|
194
|
157
|
105
|
158
|
67
|
110
|
60
|
表2 漁港別漁獲量及び価格(平成17年度)
漁 港
|
水 揚 量
|
価 格
|
漁 港
|
水 揚
量
|
価 格
|
全 国
|
226,876トン
|
66円/kg
|
太平洋中区
|
17,701トン
|
60円/kg
|
北海道太平洋北
|
104,117トン
|
74円/kg
|
〃 銚子港
|
16,820トン
|
59円/kg
|
〃 根室港
|
51,174トン
|
77円/kg
|
太平洋南区
|
382トン
|
8 4円/kg
|
〃 厚岸港
|
21,620トン
|
77円/kg
|
北海道日本海
|
18トン
|
195円/kg
|
〃 釧路港
|
29,585トン
|
70円/kg
|
日本海北区
|
79トン
|
153円/kg
|
太平洋北区
|
104,131トン
|
58円/kg
|
日本海西区
|
58トン
|
122円/kg
|
〃 女川港
|
31,235トン
|
59円/kg
|
東シナ海
|
384トン
|
91円/kg
|
表3 サンマの総水揚数量及び金額
項目/年度
|
S55
|
S56
|
S57
|
S58
|
S59
|
S60
|
S61
|
S62
|
S63
|
H1
|
総水揚数量(千t)
|
192
|
159
|
192
|
232
|
223
|
259
|
225
|
210
|
287
|
246
|
総水揚金額(億円)
|
220
|
288
|
560
|
313
|
297
|
183
|
337
|
319
|
249
|
167
|
平均価格(円/kg)
|
114
|
181
|
290
|
134
|
133
|
70
|
149
|
151
|
86
|
68
|
8月末在庫(千t)
|
21
|
12.5
|
6.0
|
22.0
|
27.0
|
27.5
|
12
|
19.9
|
16.5
|
47.1
|
表4 漁船の規模別承認隻数
年/トン
|
10~20
|
20~50
|
50~80
|
80~100
|
100~200
|
計
|
S57
|
112(19.9)
|
10(1.8)
|
274(48.8)
|
158(28.1)
|
8( 1.4)
|
562
|
S60
|
140(25.0)
|
8(1.4)
|
190()33.9
|
137(24.5)
|
85(15.2)
|
560
|
S61
|
149(26.0)
|
6(1.1)
|
172()31.1
|
115(20.8)
|
113(20.4)
|
553
|
S62
|
179(33.4)
|
6(1.1)
|
132(24.6)
|
54(10.1)
|
165(30.8)
|
536
|
S63
|
180(34.2)
|
8(1.5)
|
104(19.8)
|
35( 6.7)
|
199(37.8)
|
526
|
H1
|
182(35.5)
|
4(0.8)
|
82(16.6)
|
28( 5.4)
|
217(42.3)
|
513
|
*昭和57年船舶法により、内方式から外方式に変更
日本人がサンマを何時頃から食べ始めたかは、明確ではまいが、我が国のサンマ漁の最初は今から400年前の天文13(1544)年静岡県東伊豆において、また慶長6(1601)年和歌山県熊野灘で漁獲が確認されている。現在ほとんど取れない和歌山県が戦前までは全国いちの漁獲量だったようで、当時の親潮はかなり下まで南下していたと考えられる。
わが国では、サンマはそのほとんどが南下期を対象に北海道~三陸沖において主に棒受網で漁獲される。わが国の漁獲量は棒受網の導入に伴い1950年代の前半から急増し、1960年頃には年間50万トン前後に達した。しかし、1960年代の中頃から減少に転じ1969年には約5万トンまで落ち込んだ。その後漁獲量は回復に向かい1980年代後半から1990年中頃にかけて21~31万トンの比較的高い水準で安定していたが、1998年以降再び年々の変動が大きくなった。
サンマは元々容量と不漁がある一定周期ごとにやって来る魚と言われ、そして不漁に泣き、豊漁になると価格が暴落し、豊漁貧乏で泣く漁業であった。豊漁貧乏の原因は、主原因は棒受網と流通機能の2つが考えられた。
1940年代のサンマの漁獲量は5万トン程度であった。第二次大戦後、起動船や燈火を用いた棒受網9漁業の普及によって1950年代後半から1960年代前半には50万トン近い水揚量を記録した。大量に入荷した魚は、流通部門の何処かで処理能力をオーバーするとそこで商品は溢れ、その解決のたっめダンピングが発生した。価格の暴落叉は低下を防止する為には、①漁獲量の調整と②流通機能の向上と拡大があるが、②は即効性がなく、①の対策が進められている。
サンマ漁業を行うためには農林大臣のサンマ漁業船の承認が必要である。農林大臣が承認した承認隻すうは昭和35年1913隻を最高として以後年々減少し昭和40年代は1000隻を下回った。
昭和30年大の大豊漁期から40年代に入ると次第に減少し始め、44年には5万トンに激減し、サンマ漁業はその存在さえ危ぶまれる重大な危機に直面した。しかし、その後資源は回復に向かい48年には40万トン台の大豊漁を記録し、生産金額も史上最高を記録した。
行政庁は業界の要望を入れ、49年より承認方針の抜本的改正を行い、前年度操業実績の無い場合承認しない「操業実績主義」を採ることとした。以後サンマ漁船の隻数は制度上減少することがあっても増加することはない。平成元年に承認されたサンマ船は513隻であった。
8・海洋生物資源の保護及び管理に関する法律
わが国は、平成8(1996)年海洋法に関する国際連合条約を締結した。 これにより我が国の排他的経済水域(200海里以内)における海洋生物資源を含む天然資源に関する主権的権利が付与される一方、当該排他的経済水域における海洋資源について漁獲可能量(TAC)を決定し、保護及び管理措置を講ずることが義務付けられた。
この法律で指定された特定海洋生物は、①さんま、②すけとうだら、③まあじ、④まいわし、⑤まさばおよびごまさば、⑥するめいか、⑦ずわいがにの7魚種である。 平成12年の漁獲可能量及び指定漁業の漁獲可能量は下表の通りである。
表5 平成12年漁獲可能量(TAC)
特定海洋生物資源
|
漁獲可能量
|
指定漁業等(数量)
|
さんま
|
310,000トン
|
さんま
(225,000トン)
|
すけとうだら
|
374,000トン
|
沖合底引網 (220,000トン)
|
まあじ
|
400,000トン
|
大中型巻網漁業 (171,000トン)
|
まいわし
|
380,000トン
|
大中型巻網漁業 (200,000トン)
|
まさば及びごまさば
|
780,000トン
|
大中型巻網漁業 (444,000トン)
|
するめいか
|
500,000トン
|
沖合底引網 (63,000トン)
|
大中型巻網漁業 (25,000トン)
|
中型イカ釣り漁業 (84,000トン)
|
小型するめいかつり漁業(150,000トン)
|
ずわいがに
|
5,468トン
|
沖合底引網漁業及びずわいがに漁業(4351トン)
|
9・日ソ漁業協定に基づく規制
昭和52年ソ連が200海里漁業水域を設定し、それに伴い同年から、ソ連の200海里水域で操業しようとする全ての日本漁船はソ連の許可を必要とした。同時に日本も同年200海里水域を設定し、日本の200海里水域における全ての漁船を規制することになった。
これにより日ソ両国において自国の200海里水域で操業する相手国の漁船に対する操業条件を取り決める交渉が同年から毎年行われた。交渉の回数を重ねるに従いその規制内容も一段と厳しくなり、当初漁獲量の国別割当量は、日本は85万トン、ソ連75万トンであったが、平成2年漁期については無償部分18万2000トン、有償部分は3万5000トンであった。そして、平成19年漁期は総量3万5000トンとなった。
日本のサンマ漁船がソ連の200海里内で操業できる水域は
①
東経155度以西の千島列島太平洋
②
東カラフト、
③千島列島オホーツク海
の3域であったが、②東カラフトは61年漁期から、③千島列島オホーツク岸は62年漁期から禁漁となり、現在は、①東経155度以西の千島列島太平洋のみである。
10・サンマの餌生物
サンマの餌生物は動物性プランクトンである。動物性プランクトンには多くの種類があるが、サンマの餌生物として確認されているものに節足動物部門甲殻亜門のカイアシ類とオキアミ類がある。
1)カイアシ類
カイアシ類はカイアシ亜網(以前は橈脚とうきゃく亜網)に属する動物の総称で、ケンミジンコまた
はコペポーダと言う場合もある。 海洋における動物プランクトンの中心的存在であり、11目8000種
以上が確認されている。 プランクトンネットで採集される海の動物プランキトンでは、カイアシ類
が数、量的に最大の場合が多い。
形態は前方が太くて後方に向けてすぼまった、いわばやきゅうのバットのような型
をしている。背
面は甲羅に覆われ、覆面には付属肢がならんでいるが、付属肢の多くは短くて、上から見ると体の下
に隠れている。 前端からは一対の長い触角、後方には一対の尾肢がある。
2)オキアミ類(オキアミ目)
サンマの仔魚は小型のカイアシ類を摂餌するが、大型のサンマは大型もカイアシ類
及びオキアミ類
も摂餌するようになる。オキアミ類はエビやカニを含む十脚目と同じ甲殻網軟甲網ホンエビ上目にぞ
くする。頭胸甲の側縁にひだ状に伸びる鰓域はあるが、十脚目のように鰓室はなく、鰓は外部に露出
している。オキアミ目には2科11属86種が知られるが、ソコオキアミ科は1科1属1種で、他の85種
はオキアミ科である。南極に大量に生息する南極オキアミはいないが、日本近海には8属が分布し、
親潮にはツノナシオキアミが多い。
11・食品成分
表6 サンマの可食部100g当たりの食品成分
ビタミンA 120IU
|
カルシュウム 75mg
|
亜鉛
740μg
|
ビタミンD 440IU
|
リン 160mg
|
銅
170μg
|
ビタミンB1 0.01mg未満
|
鉄 1.3mg
|
水分
61.8g
|
ビタミンB2 0.33mg
|
ナトリウム 60mg
|
灰分 1.3g
|
ビタミンC 2mg
|
カリウム 140mg
|
蛋白質
20.6g
|
コレステロール 60mg
|
マグネシウム 25mg
|
脂質
16.2g
|
サンマは脂質が多く、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)の多い魚です、参考までに魚の可食部100g当たりのDHA及びEPAの含有量比較表を載せます。
表7 DHA及びEPA含有量比較表(単位;mg)
魚種
|
DHA
|
EPA
|
魚種
|
DHA
|
EPA
|
魚種
|
DHA
|
EPA
|
アジ
|
14.5
|
7.9
|
サケ
|
13.0
|
7.8
|
ヒラメ
|
20.9
|
12.9
|
イカナゴ
|
24.9
|
18.4
|
サバ
|
13.2
|
9.0
|
マイワシ
|
10.7
|
13.0
|
ウナギ
|
7.0
|
7.0
|
サンマ
|
10.6
|
6.4
|
マグロ(脂身)
|
14.3
|
3.6
|
ウルメイワシ
|
18.9
|
8.2
|
シラス干し
|
28.2
|
13.5
|
マグロ(赤身)
|
15.6
|
6.4
|
カタクチイワシ
|
16.6
|
11.0
|
すじこ
|
18.7
|
16.3
|
マダイ
|
11.0
|
5.8
|
カツオ
|
24.8
|
6.2
|
タラ
|
32.9
|
16.7
|
メルルーサ
|
23.7
|
1.04
|
カレイ
|
14.2
|
14.8
|
トビウオ
|
34.8
|
5.7
|
|
|
|
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